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ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜

by 蔵月古書店

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「……ごくりっ」
 沙夜子が息を飲む。
 タイトルが告げられた瞬間。
「きゅぅ」
 沙夜子、直立不動のままブッ倒れた。
「……黒鵺」
「沙夜子はどうしたんだ?」
「その本……定価の二十倍以上する希少本なのじゃ」
「……すまない」
 そして店内が片付いたのはそれから数時間後。深夜になってやっと元通りになるのだった。

 それから数日後だった。
 雨が降る、その日。
「あの、私たちすぐに帰ってきますから」
「店に出るでないぞ」
「ああ」
 沙夜子とガァ子、二人の声に黒鵺は頷く。
「よし、沙夜子、雨が降ってきて心配なのじゃ。気を引き締めていくのじゃぞ!!」
 その言葉に沙夜子は頷いた。
 二人が揃って出掛ける。そして黒鵺は一人残される。

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