[TOPへ]

ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜

by 蔵月古書店

前へ [25ページ] 次へ

 花魄は木の精であり、枯れる、つまり水分を失うとその力を停止させる。本のままの形なら姿を現す事は無いだろう。
 しかしその活動はあくまで停止であり、消滅ではない。つまりそこに再び水分が満たされるような事になれば、そこからまた花魄は復活するのだ。
 そして数日前、花魄が現れた事により、事態が表面化する。
 その持ち込まれたいくつかの本を回収するために、沙夜子、ガァ子は行動をしていたのだ。それは沙夜子たちが妖怪退治を生業としているから。
 もちろん、そんな話を彼女は簡単には信じられない。樹木の化物、そんなモノが存在するわけが無い。ただの作り話。
 と、数時間前なら考えていただろう。
 だが彼女は見ているのだ、花魄の姿を。全てが夢だとは思えない現実感がそこにあり、否定を出来ない自分がいる。
 なにより黒鵺が嘘を言う人間に見えない。
「……冗談……ですか?」
 彼女の問いに黒鵺は……
「いや。本当だ」
 と即答をしたのだから。

前へ [25ページ] 次へ
※ 途中のページでケータイの「お気に入り」に登録すると、本にしおりをはさむように読んだページが保存できます。
Copyright 2006 (c) Assem-blage, Kirio Yamamoto, Bokuboku, and Kuratsuki-Koshoten
ここに掲載されている全ての文章および画像その他の著作権は、文章および画像その他の提供者にあります。
著作権は各国で制定されている著作権法により保護されており、許可無く転載・複製行為を行う事は禁止されています。