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ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜

by 蔵月古書店

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「まぁ、そこで花魄に取り憑かれておったお主に話を聞こうと思ったのじゃが……それも後回しじゃな」
 そうガァ子が言うと同時。
 黒鵺が彼女の体をグッと自分へと引き寄せる。
「ああぁぁぁぁっ!!」
 その様子を見て、思わず声を上げてしまう沙夜子。
「沙夜子っ!!」
 そして沙夜子の服をグッと掴み上げるガァ子。
 次の瞬間。
「あ、あれ、く、黒鵺さん?」
 沙夜子は辺りを見回した。相変わらず本に囲まれた部屋。その光景に変化は無い。だがしかし黒鵺と、そして彼女の姿だけがそこに存在しない。
「分断されたようじゃな」
 ただガァ子はそこにいる。
「ぶ、分断ですか?」
「そうじゃ。花魄の中に空間を分断、隔離、そんな事を出来るような奴がいるらしい」
 先程、花魄を追っていたあの時。花魄に追われていた黒鵺、それを追っていた沙夜子とガァ子だけが別の空間へと隔離されていた。
 だから他の人間がどこにも見当たらなかったのだ。
 ただ問題はそこでは無い。
 なぜ沙夜子たちだけが隔離されたのか?
 他の人間に気付かれないように、沙夜子達だけを排除するためだ。つまり、そう行動する知識を持った花魄がいるのだ。

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