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ぶっくさーばんと! 〜花魄(かはく)〜

by 蔵月古書店

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 花魄の木の根が地面、そして建造物を破壊しながら、巨大な鵺の体に巻き付くのだが。
 空気を震わせ、鵺の鳴き声が響いた。甲高い、鳥の、トラツグミのような鳴き声。
 その体を揺すり、木の根を引き千切る。
 そして尾の蛇が何かを追うように地を這うのだった。そして地面の下へと潜り込む。
 まるで地震のようだった。地響きと砂塵に彼女は頭を抱える。
 一際大きな轟音と共に、尾の蛇が地面から姿を現した時、その口には一体の物の怪が噛み砕かれたいた。それは花魄だろう。
 その光景を彼女が見た時に彼女は理解する。花魄を攻撃した、あの巨大な獣……それが黒鵺なのだと。
 それからはほんの数分程度の出来事だった。全ての花魄が鵺により倒されるのは。


 その後、花魄が取り憑いていたであろう本が彼女の部屋から発見される。
 彼女の趣味である本集め。
 ボロ借家(本にお金を使い過ぎて)の雨漏りが重なる偶然から、彼女は花魄に憑かれようのだった。
 それを知りガァ子は一言。
「目を覚ませ」
 そう呟く。
 だが本が好きだったからこそ、黒鵺と出会えた。
 だから彼女はそれを良しとするのだった。

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