置いてけぼり日記

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訴えられたり事件が起きたりするときの、当人や関係者のコメントでよく使われる言葉に、「遺憾」というものがある。
日常でつかう「〜はイカン(行けない)」と言葉が似ているから、同じ意味に思えてくるのだけど、辞書で調べてみるとこれがもーなんかすごく政治家好みな都合の良い言葉でして……。

例えば「遺憾の意を表する」で検索して出てくる文章、
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&num=100&q=%E9%81%BA%E6%86%BE%E3%81%AE%E6%84%8F%E3%82%92%E8%A1%A8%E3%81%99%E3%82%8B

 →「神奈川県のゲームソフト有害図書類指定に遺憾の意を表する」

これにはふたつのまったく異なる意味が表現されている。

 ・有害図書類に指定されたことを反省している(意訳:以後気を付けます)。
 ・有害図書類に指定されたのは意に反する(意訳:何考えてんだこのバーロー)。

反省であり非難でもある。これが「遺憾」って言葉。
つまりこの言葉を使っておけば、腹にあるものを吐き出さずしかも建前を言う必要もなく、その後どちらに結果が転がっても柔軟に対応できるコメントを放つことができるわけ。
言葉に意味が無くなっているので、この発言が発端でメディアに非難されたり裁判で振りになったりしない。
ちゃんとコメントしているようで、実はなぁんも言っていない。言わば、沈黙とほぼ同義。
ある意味、成人になるまでは知らなくていい言葉であり、人に好かれる生き方を目指しているなら一生知らないままで構わない言葉かもしれぬ。

自分でも、身近な人が犯罪をしてしまったらこのコメント以外出すものは無いだろう。
でもま、せめて自分の心の内、あるいはフィクションの世界くらいは、「遺憾」などといって誤魔化したりせず、常に正直でいたいものである。ま、日常生活で使うとただのギャグにしかならないんだけどさ。

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